Je vous emmène aux portes de I'Aventure... mais c'est à vous de défier le sort. - Thierry Sabine
私が冒険の扉を示す。開けるのは君だ。望むなら連れて行こう。
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パジェロが砂漠を駆ける。
小学2年生、テレビに映る砂煙を眺めていた。彼らが何をしているのかを知るのは、ずっと後だった。
大学4回生、原付で鯖寿司を食べに行ったのが楽しくてバイクを買った。日照時間内に本州縦断して夕焼けの砂浜を走るSSTRと呼ばれるイベントのブログ記事に心が躍った。
バイクにもラリーがあるらしい。それはコマ図という巻物の略地図に従って走るらしい。あのパジェロがいたパリダカールラリーにもバイク部門があるのか。あの砂漠の中をコマ図で走るのか。そのパリダカを完走した人がSSTRを開催しているのか。出てみよう。
修士1回生、初めてのSSTRは、見よう見まねで書いた自分のコマ図で走った。
初見の300kmなど、本当に走り切れるのだろうか。でも怖がっていても誰も救ってくれない。走らなければ始まらないじゃないか。
鼓舞して走る。知らない日本を知る。千里浜に泣く自分がいる。ああ、冒険は、畏れの克服か。
ラリーって、なんだろう。
これは、ラリーレイドにまつわる一連の記録である。