❏ はじめに
ぼくは、あなたに刺激を与えたい。今日はがんばった!楽しかった!と言っていただきたい。刺激を与えられる走りを、達成感を得られるような機会を提供したい。
では、達成感はいつ生まれるか。それは、頭と体を使い果たしたときだろう。どうすれば、頭と体を使う走りで刺激を与えられるだろうか。ぼくの好きなラリーで刺激を与えられないだろうか。
行く先の知らない道に頭を使い、道に現れる景色と課される時間に刺激を受け、限られた情報から葛藤を生み、克服する走りをしてもらおう。あなたを試そう。
❏ TRIAL RALLYとは?
TRIAL RALLYは、中部圏を中心にコマ図を用いて走る、ツーリングベースのオンタイムラリーイベントです。ラリーに興味を持っているが機会に恵まれなかった方、大会ではなく適度にコマ図を楽しみたい方向けに開催しています。
2018年3月より開催してきたツーリングタイムラリーイベントをTRIAL RALLYとしてシリーズ化しました。開催してきた前身のイベントは「鷲峰」「淡海」「滋賀」「御嵩」です。
❏ ルールは?
目的:ライダーのスキル向上に寄与し、オートバイ文化の発展に貢献する
目標:コマ図を用いて走行時間を管理する
車両規則:未舗装路を走行可能で航続距離が150kmを超えると自ら認め、法規に準拠した車両
競技規則:法規走行の遵守と安全運転の励行
得点:
TRIAL RALLYでは、いかに指示時間通りに走れるかを競います。点数は、指定時間と走行時間の差分だけ持ち点から減点されます。複数のステージがある場合は、ステージごとに持ち点を分配します。
2ステージ制:1ステージにつき50点
3ステージ制:2つのステージを25点、1つのステージを50点
減点方法について説明します。指示時間10分、6.1kmのステージがあったとします。このステージを、15分で完走しても5分で完走しても、5点減で45点になります。そのため、満点を目指すには10分ピッタリに走らなければなりません。なお、1分差で-1点か-2点かは、事前に通達されます。また、規則に反する運転が認められた場合、10点減点します。
❏ 何が必要?
・コマ図を読む力
ルートは、スタート地点から交差点までの距離と、その交差点の略図(コマ図、ロードブック)をもとに走ります。例えば、この2行のコマ図は、以下の情報を示しています。
① スタート地点から32.06 kmで右折
② 2.56 km進んだ34.62 kmで左折し、92 m進んで右折
③ 34.62 kmは矢印の地点で、バス停が目印
④ 34.62 kmから先は、注意して走行
ラリーは、コマ図を頼りに走り続けます。コマ図と合わなかった場合、あなたの解決能力が試されるでしょう。迷っているうちにオンタイムがどんどん難しくなります。コマ図を正確に読み解くには、頭を使わなければなりません。
コマ図を円滑に読み解くためには、細かく測れる距離計と、このコマ図を保持する入れ物(ラリーコンピューター,マップホルダー)が必要です。
・ラリーコンピューター
10m単位で測れる距離計。距離を修正する機能があります(タイヤ周長補正,加減算)。PRO-TECTAさんのrc-7などが挙げられます。
rc-7 すべてのラリーライダーに捧げる国産モーターサイクルラリーコンピューター
コマ図上の距離とずれている場合に、修正する方法が2種類あります。
① ボタン操作で距離を修正する方法
ボタンをクリックして修正しましょう。走った距離だけ減らしてくれる減算機能を使うと楽です。
② タイヤの周長を変更する方法
一定の比率でずれているのであれば、タイヤ1回転あたりに進む距離を変更すると良いでしょう。
ラリーコンピューターの機能を持った代替アプリがあります。
F2R Rally Tripmeter(Android向け)
139.67 km進み、189°の方向を向いている画面です(真南から少し西の方角)。このアプリでは、画面タップによって修正できます。減算機能はありません。
T2RC(iOS向け)
減算機能やコンパスを備えた高精度で万能アプリです。1600円こそかかりますが、これさえあればTRIAL RALLYは問題ありません。
これらのアプリは、あくまで代替です。ステップアップや充実した機能を欲している方は、ラリーコンピューターを購入しましょう。
・マップホルダー
箱に巻き入れてコマ図を表示します。手動・電動の2種類あります。MMGさんやN-SYSTEMさんのマップホルダーが様々な車種に対応しやすいです。
ちなみに、ぼくはCRF250 RALLYにラリーコンピューターとマップホルダーを取り付けています。
マップホルダーは、タッパーなどで作れます。コマ図を保持さえできればいいのです。ぼくは初めクリアファイルに挟んでいました。また、TRIAL RALLYではPDFでコマ図を配布するため、タブレットでコマ図を表示することも可能です。ぜひ参考にしてください。
❏ おわりに
パリ・ダカール・ラリー創設者のティエリー・サビーヌは、第1回大会の開会式において言葉を残しています。ラリーファンにはあまりにも慣れ親しまれた言葉ですが、今でも心を打ちます。
「私にできるのは、冒険の扉を示すこと。扉の向こうには、危険が待っている。扉を開けるのは君だ。望むなら連れて行こう」
ラリーを始めるには手間がかかります。勇気も必要でしょう。ぼくはあなたの勇気に応えます。しかし、ぼくはあなたを試します。あなたは、挑めますか。
#ComeRideWithUs