山岳信仰。古より民は山を崇めてきた。街からも峠からも、山は一つの焦点であった。現代においても、旅をすれば山が目に飛び込む。名を知らなくとも、声を漏らす。先祖が山に思いを馳せることは、想像に難くない。その形に威厳を見い出せば神と畏れ、包容を見い出せば母と慕う。民は山と心を通わせてきた。
神仏習合。古より僧は山で鍛えてきた。修験道を辿り、尾根を縦走する。苦行の果ての境地を目指し歩んできた。神と崇めた山を歩き、仏に触れようとする。修験道を持つ霊山には、いつしか神社も寺院も建ち並ぶ。数百年に渡り神と仏は手を取り合った。僧あらずとも、民は山へ足を運んできた。
古より民は、山を畏れ、山に悟りを求めた。中部にも、焦点は鎮座する。畏れと苦しみを抱く山へ、あなたを誘おう。
TRIAL RALLY Rd.6 験
こんばんは。けーごです。
TRIAL RALLY Rd6 験を開催しました。企画から1年、ようやく開催できました。緊急事態宣言で延期、豪雨で延期、三度目の正直です。当初からご応募いただいた皆様には大変なご迷惑をおかけして申し訳ございません。ひとまず、安堵しています。
❏ TRIAL RALLYとは?
TRIAL RALLYは、中部圏を中心にコマ図を用いて走る、ツーリングベースのオンタイムラリーイベントです。ラリーに興味を持っているが機会に恵まれなかった方、SSERのような大会ではなく適度にコマ図を楽しみたい方向けに開催しています。
❏ ルールは?
目的:ライダーのスキル向上に寄与し、オートバイ文化の発展に貢献する
目標:コマ図を用いて走行時間を管理する
車両規則:未舗装路を走行可能で航続距離が150kmを超えると自ら認め、法規に準拠した車両
競技規則:法規走行の遵守と安全運転の励行
得点:
TRIAL RALLYでは、いかに指示時間通りに走れるかを競います。点数は、指定時間と走行時間の差分だけ持ち点から減点されます。複数のステージがある場合は、ステージごとに持ち点を分配します。
2ステージ制:1ステージにつき50点
3ステージ制:2つのステージを25点、1つのステージを50点
減点方法について説明します。指示時間10分、6.1kmのステージがあったとします。このステージを、15分で完走しても5分で完走しても、5点減で45点になります。そのため、満点を目指すには10分ピッタリに走らなければなりません。なお、1分差で-1点か-2点かは、事前に通達されます。また、規則に反する運転が認められた場合、10点減点します。
❏ Rd.6 験
今回、験と題して企画しました。験には、試すの意味があります。TRIAL RALLYのエリアである美濃東部では、霊山御嶽をはじめ山に恵まれています。そこで、TRIAL RALLYの趣旨「時間通りに走れるかの腕試し」の試験、山岳信仰・神仏習合の時代に山を崇め山に鍛えられた修験、ふたつの験を重ねてみました。
これまで、TRIAL RALLYでは1ステージだけ長距離を用意してきました。長時間・長距離をかけても一貫したペースで走れるかを試したいからです。そこには、林道から幹線道路まで用意し、ペースに乱れがあればすぐに時間に反映されるような設定にしてきました。3ステージ制の場合には、最も長いステージに配点を多くしてきました。その結果、接戦が見られることもしばしばありました。
今回、TRIAL RALLYの醍醐味であるジャンルに富んだ道をつなぐ長距離ステージをSTAGE 1,STAGE 3に用意し、配点を少なくしました。代わりに、舗装林道と未舗装林道で構成した短距離のループステージをSTAGE 2に用意し、配点を多くして時間通りに走れるかに注目します。勝負の行方を決定しかねないステージ配分にすることで緊張感を与えようと試みました。
今回は企画の狙い通りな展開を見せるのでしょうか。楽しみです。
11/15
07:00 道の駅可児ッテ
今回は初めて車での出動。試走はジムニーとバイクで行いますが、当日は運営に専念するので割り切ってCR-Zです。
TRIAL RALLYでは、出走の受付をサインにて行います。これはツール・ド・フランスに倣っていて、出走の意思表明がはっきりしていて好きなので採用しています。
それにしても多彩なラインナップです。同じ車種がどれか探してしまうほど種類に富みました。写真から探してみてくださいね。
正解はRd.6 験のエントリーリストにてご紹介しましょう。CRF250Lでした。
今回は12名の方にご参加いただきました。Rd.5 現の3倍!誠にありがとうございます!応募は18名だったのですが、2度の延期で調整つかなくなりDNSが相次ぎました。ご迷惑おかけして申し訳ございません。次回、お待ちしております!
❏ STAGE 1
71.71km / 1:40:00 -1pt/min
STAGE 1は、町から山へとひた進むステージです。初めはツーリング気分、進むにつれてコマ図を確認する機会が増えていきます。山深くなりラリーの雰囲気になった頃、これから走るエリアを展望する道へ。一気に駆け下りてゴールの構成です。一貫して走っていればオンタイムになる、まさに醍醐味のステージを初っ端に持ってきて腕試し。皆さんはいかほどでしょうか。
中部開催になってお馴染みになってきたこのダムも、梅雨の試走時では全開でした。新しいダムの建設に伴い移りゆくこの景色を、しばらくともにしたいと思います。
極上のフラット林道を用意して、気分をツーリングからラリーへ変えていきます。STAGE 1では、未舗装路を2本用意しました。もう1本は少し狭くなりますが平和な路面です。林道を抜けた頃にはCP1も目前。時間を調整できる距離も短いので、それまでの走りが一貫していたかがいきなりわかります。計算しながら走らないと難しいTRIAL RALLY、今回は優勝経験者が参加していませんので、全く結果の予想がつきません。
08:30 道の駅可児ッテ
今回は2分ごとに1名ずつスタートする方式です。信号交差点がはじめに多いので、前後で遭遇しないことを祈るばかりです。ラリーでランデブーしては冒険心も薄れてしまいますしね。皆さん、良い旅を~!
最終走者は#18のへなちょこ総帥さんの640ADV。コマ練スタッフで、今回初参加です。一番最初のコマから真逆の方向へ向かっていき、旅立ちを見届けてからCP1へ移動しました。どうかご無事で...笑
10:30 CP1
1着はNABEさん。sa.kioコマズラリー、コマ練でご一緒している方です。SSER 2020を全戦自走にて完走しています。TBI 2021でご一緒できたらいいな!
2着、なんとGSのスークさん!TRIAL RALLYは、ねちっこい舗装林道を入れているのでGSには向きません。STAGE 1でこれだけ早く来ると、今回の優勝争いに絡みそうだな~
3着、おたけさん。Rd.3 滋賀以来のご参加です。Rd.4 御嵩は開催キャンセル、Rd.5 現はDNSと残念な思いをさせてしまっていたので、ご参加いただけて嬉しいです。
さて、3台ともオンタイムから少し遅れていはいるものの、概ね近い走行時間です。残り9台を待ちます。...が、何分待っても来ない。え?本来であれば10分ぐらい全員揃う時間があるはずなのですが、3台しかいません。そのままSTAGE 2へ送り出すことに。みなさん無事かな...
❏ STAGE 1 リザルト
0点が50%というかつてない幕開けになりました。どうやら、本当にコマ図上のこの道でいいのか確信を持てずに右往左往していたとのこと。たしかに少し不安になる道ではありましたが、ここまで成績に響くとは。
TRIAL RALLYは、一度でもミスコースをすると致命傷になります。かなり皆さん苦労されていたことが伺えます。上位3名が抜け出した展開、いきなり優勝争いが絞られそうですが、次は配点が50点、1分で-2点のいかにオンタイムかが問われるステージです。
❏ STAGE 2
44.04km / 1:09:00 -2pts/min
STAGE 2は、初めてのループステージ。44kmを1時間ちょっとの短いステージで、未舗装路が26%を占める本格的なダートステージです。他の区間もただの舗装路ではなく、防獣柵があったりと必ず降車しなければならない風変わりな要素を取り入れてみました。この作業時間も走行時間に含まれるとなると、また面白くなりそうです。
最終試走では、紅葉が見事でした。黒カビがあり、濡れるとツルツルの路面です。非常に嫌らしいです。
冬になれば雪も降ります。標高も1000m近く、試走時も気を抜けないステージでした。
林道はところどころ眺望のいい道です。路面はやや荒れ気味ではありますが、林道を走り慣れていれば問題ないレベルです。ステージの後半になると季節を問わず息切れを起こし汗をかく、体力勝負な一面もあります。ここは軽さと安定感がモノを言う250ccが最も有利な気がしますが、展開はいかに。
12:00 CP2
CP1に大幅に遅れて帰着した方たちを送り出しながら、先頭グループはCP2に到着。このグループは最小限の減点で完走を試みており、堅実な組立て方をされている印象があります。#12のkioさんはSTAGE 1を1時間30分遅れで到着し、その後の運営を考えてSTAGE 2をDNSとしました。すみません...!1人運営なので...!
こういう事例が起こることを踏まえると、やはりループステージの設定は運営しやすくいい構成かもしれませんね。また、ガソリンスタンドでの給油を設定していましたが、日曜定休なことを知らず、皆様にはご迷惑をおかけしました。申し訳ございません。Google Mapでは営業していても、実際に出向いてスタンド事情をよく把握しておかないといけませんね。足繁く通います。
STAGE 2では、多くの参加者がタイムアウトすることなく無事に得点されており、ようやく分布がばらけ始めました。
❏ STAGE 2 リザルト
なんと、GSの#101 スークさんがリードを広げる結果となりました。NABEさんも僅差で食い下がりますが、これは接戦になりそうです。はじめに得点に悩んだ方たちも挽回しており、中盤争いも面白い展開になりました。まずはしっかり食事と休憩を摂り、STAGE 3に備えてくださいね。
❏ STAGE 3
102.03km / 2:39:00 -1pt/min
STAGE 3は、STAGE 1・STAGE 2を組み合わせたような長丁場のステージです。とにかく距離が長い。最終試走で工事が入り、急遽ルート変更をせざるを得ませんでしたが、林道も多く設定しました。
中には夏ににょきにょき育った藪を進んでいただくところや
極上フラットも最後に2本用意しました。長いステージで木々のトンネルを走り続けた後、このフラット林道で快走してから最後のリエゾンに入る構成にしました。ただ、最後の1本の前に足切りを設定し、日没前に集合場所の道の駅可児ッテに直帰するよう指示しました。
13:00 CP2
CP2では地元の食材を使った食事処があり、皆様にはご堪能いただいたようです。試走時にもいただいており、お気に入りです。
昼休憩の時間に、コマ練のカトーさんが遊びにいらっしゃいました。#18のへなちょこ総帥さんはコマ練スタッフなので、カトーさんと並んでいると、あれ?コマ練出張版?あれ?と一瞬思う時間でした。面白いですね。
総帥さんを送り出してから、カトーさんとゴールの道の駅可児ッテへ移動。ちょっとしたドライブ、楽しかったです。
16:00 道の駅可児ッテ
15時に着くと、二人の参加者がDNFで先に戻っていました。初っ端に完走されたのは、やはりNABEさんとスークさん。10分以内に完走し、まずまずのタイムです。途中、試走後にルート上に変化があり、ご対応いただいていました。臨機応変の対応、ありがとうございました。しばらく待つと、皆さん続々と帰着され、お出迎えしました。
❏ STAGE 3 リザルト
足切りに間に合い、完走できたのは6台でした。得点できたのはわずかに4名。予想もしない結果となりました。これは、再考の余地がありますね。次回は易化しましょう。
#101のスークさんは全ステージで1位、総合成績でも見事優勝!圧巻の走り、あっぱれです。おめでとうございました!
17:00 道の駅可児ッテ
まだ2名が帰着していませんでしたが、成績発表後に解散しました。無事に残り2名もお出迎え、お見送りしてぼくも帰路につきました。
❏ 皆さんの感想
・意外に間に合わない
・変化に富んだラリーで楽しい
・リベンジしたい
・景色が良かった
・大型には厳しい路面だった
・成績がつくのが新鮮
やはり、今回は時間を厳しめに設定していただけあり、案の定間に合わない方が続出しました。ぼくの試走の得点では94点でしたが、もう少しゆるく、写真を撮りながら走れるような指示時間の設定にしていこうと思います。
開催を終えてから、今シーズンやりきって燃え尽きた感がありましたが(まだSSTRがあります)、1日経つと早くも次のRd.7を考え始めるもので。景色のいい道を堪能してもらいつつ、走るときは走る1日にしてメリハリをつけていこうかな~と思案に明け暮れる日々です。Rd.7は来夏~来秋を予定しています。お楽しみに。
ラリーは、アテンダントのいない旅です。見せたい景色、与えたい感情を地図に込めて、皆さんに辿っていただく冒険です。声を漏らす道、汗を流す道、様々に織り込んで、お待ちしております。
この度はご参加いただき、誠にありがとうございました。
また東濃でお待ちしております。
#ComeRideWithUs
では。