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写真で振り返る2021年

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適応障害の治療から始まった2021年。失意から逃れるように、物理的にも心理的にも、走り続けてきました。その軌跡を各視点から振り返ります。



❏ ラリーパイロットとして
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今年は、ラリーシリーズ SSER (Shikoku Super Enduro Rally) の国内最高峰 TBI (Tour de BlueIsland. 四国6日間の競技) 完走を目標に時間も資金も費やしてきましたが、ついには叶わず。TBI 2021は中止になりました。代わりに玄人に混ざって練習したり。2022年大会期間は予定があるため、2023年大会を目指します。目標、総合30位以内!


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TBIを人生の焦点と捉えています。完走したならば、今後の意思を整理したい。完走できなかったならば、再挑戦したい。今年は準備のリハーサル。来年は練習に充てます。

今年、バイクに乗ったのはラリー関連だけでした。おかげでCRF250 RALLYの特性、MT21の特性の理解を深められたと思います。走行中は常に、立っても座っても安定し、フロントでもリアでも曲げる挙動を意識できました。
一方で、バンプでのリアの突き上げが課題になりました。ラリーでは一貫性が肝。短所を減らすことが重要なので、ライダーでカバーできる部分を習得していきたいですね。


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コマ練の舗装路限定イベントでは、CR-Zで参加。モータースポーツが好き、ラリーに興味がある友人を積極的に誘い、コ・ドライバーに。楽しんでもらえてほっとしました。
ドライバーとしても、聴覚を介してコマ図を読むのはトレーニングになります。視覚を介したときの精度が格段に向上しました。Google Mapナビを音声だけで走るのもしかり。コマ図を楽しんでもらいつつ、自分の練習にもなる一石二鳥の楽しみ方を見つけました。2022年も積極的にCR-Zで出たいですね。


❏ ラリーオーガナイザーとして
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TRIAL RALLY 2021シーズンは、Rd.7 七宗Rd.8 長良を計画していました。年始には両ルートとも完成済みで、2021年は2022シーズンへの準備に充てる予定でした。


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ところが、春にコマ練2daysのコースディレクターの打診を受け、長良は中止。夏は秋に向けた試走に充てる期間に。


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「コマ練2daysとは」を自分なりに解釈し、「木曽路はすべて山の中である」をコンセプトにルートを作成しました。山は大きく谷は深い、緩急豊かなダイナミックな東濃を堪能してほしかった。


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正直、大きなプレッシャーを感じていました。
10年仕込みのコマ練で、代表カトーさん以外で初めてのコースディレクターになるからです。TRIAL RALLYとコマ練では、イベントも参加者も性格が異なります。これに合わせ込めるのか。知っている林道をつなげて距離を稼ぐだけでは、意味のあるコマ図として成立しません。距離の異なる原付部門も成立するような、のべ700kmのルートを考える。自分の思いも込めて、コマ図を送り出しました。


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開催を通して、多くの気づきを得ました。多くの声もいただきました。長所は伸ばす。課題は直す。来年はもっとコマ練らしくなります。
性格の異なるコマ図を作る人は少ないはず。貴重な経験を、TRIAL RALLY・コマ練の両方に活かす2022年にします。ご期待ください。

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TRIAL RALLY Rd.7 七宗では、過去最大の参加人数に。
後半にかけて林道がたたみかけるSTAGE 1、ほぼ林道のSTAGE 2、景勝地めぐりの舗装路ツーリングのSTAGE 3。特色のハッキリした構成で、得点もほどよく分散し、成功に終わりました。


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運営では、今回からスタッフ動員を試みました。なにもかもすべて一人だった頃に比べれば、はるかに助かります。今後への良い布石になったと感じています。
自前の得点システムを改良して、リアルタイムに得点がわかるような臨場感のある大会を目指します。スタッフの皆さん、次回以降もお力添えをよろしくお願いします。
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Rd.8 伊吹は、滋賀へ帰る一日になります。東濃・中濃・西濃。山、谷、川、池、家、町。原風景の中に表れるグラデーションと、百名山を繋ぐコマ図です。ご参加、お待ちしております。

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❏ 旅人として
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夏は車旅。日本の大きさを知る2泊5日の日本縦断グランツーリスモ。未踏の地を巡りながら、列島のスケールを時間と距離と疲労で感じとる。以前から各地を巡ってきましたが、日本を知らないと痛感した夏でした。


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旅を通して、CR-Zを深く理解できるようになりました。ヨー特性、減衰特性、アライメント変化、ねじり剛性、モータアシスト制御、ブレーキ温度特性。積載量や車中泊の使い勝手も把握できたのは貴重な収穫です。ECU書換え・レグノ装着のおかげもあり、総じてちょうどいい車です。いい車とつくづく感じる旅でした。


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首都圏におけるデルタ株の感染拡大がピークで、交通量が少なかったからこそ完遂できた旅です。もうこの規模・日程の旅はできないでしょうから、貴重な夏を過ごせたことを嬉しく思います。
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ぼくは、旅の過程を楽しみます。過程の価値を高める旅を、と年々インフレしてきました。
楽しむ気持ち、喜ぶ気持ちは、高低差があって得られるもの。だから、苦しさのない旅は自分の印象に残らない。苦しいだけはつらい。気持ちの尾根の向こう側を期待できる苦しさなら受け入れられる。今年は時間と距離による疲労を受け入れました。
来年は、何をしようか。自転車にまた戻るのもいいかな、とつらつら考えたり。良い旅になりますように。



❏ モータースポーツファンとして
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今年はSUPER GTの富士戦へ2回行きました。チームクニミツのチャンピオンが目の前で失われるショックは甚だしいですが、これもモータースポーツ。来年も応援しに行きます!


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そして何よりもF1。ぼくは、F1 2009からレッドブルを応援してきました。セバスチャン・ベッテルのレースを毎戦見届けてきました。楽しみたい週末には毎回レッドブルを買い、ベッテルのニット帽を毎年被ってきました。
ベッテルからフェルスタッペンへと変わり、あれこれ言いつつもその成長を見守ってきました。そして、ホンダと組む。速く走るかっこよさを教えてくれたレッドブルが、乗る楽しさを教えてくれたホンダと組む。
レッドブル・ホンダ、F1 2021は、勝つ。


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レッドブルとアルファタウリのチームウエアだけでなく、アルファタウリのアパレルも個人輸入しました。今年一年、できる限りレッドブル・ホンダの服を着て応援してきました。

プレシーズンテスト。RB16Bはリアのオーバーステアを大きく改善して、セットアップの方向性も決まったように見えました。ハイレーキ(尻上がり)を成立させるフロア設計がレギュレーション変更に対して有利に働き、シーズンへの期待も高まります。イギリスとハンガリーでクラッシュさせてきたメルセデスへの憎しみも覚える一方で、一貫して勝ち続けるフェルスタッペンに喜びをもらいました。勝てるぞ。

勝たなければいけないレースで勝ってきました。ブラジルまでは。ブラジルは、統計的にはレッドブルの車両に合っているところ。最終戦アブダビ前で8点マージンを取るためには、ブラジル優勝は必須でした。
しかし、圧倒的な差でハミルトンに負けた瞬間に、フェルスタッペンのチャンピオンを厳しく感じざるを得ない。残りのコースはメルセデスに有利。同点で最終戦を迎えて逆転負けのシナリオも脳裏を頻繁にかすめます。

最終戦アブダビ。やはり同点。前に出たほうがチャンピオン。FPはハミルトン優勢。レース1周目で前に出れなかったフェルスタッペン。
その瞬時に、フェルスタッペン:アンダーカット、ハミルトン:リアクション、ペレス:ロングランでブロック、残りは他車のクラッシュ次第のシナリオが見えました。ペレスの執拗なブロックも味方になれば頼もしい。しかし、ソフトでもハードでもハミルトンのペースに敵わないフェルスタッペン。
去年のSUPER GTの逆転劇があるから最終周まではわからないと言い聞かせますが、万事休すかと諦めかけました。


Verstappen Wins Title With Final Lap Overtake! | 2021 Abu Dhabi Grand Prix - YouTube


「世界最速のドライバーを決める」
F1は、ドライバーの力で勝ち取るものだと思ってきました。過去15年の全チャンピオンはドライバーの力で勝ってきたから。今は認識を改めます。これほどまでにチームメイトとレースエンジニアに懸かるシーズンは、「死闘」の他になんと表現していいかわかりません。
実際、フェルスタッペンのチームメイト ペレスは、あのブロックを完遂した後にパワーユニットを壊して去りました。最速になるための、シンプルで、激しく、美しい一年。これから未来、世界中のモータースポーツファンでの語り草になる、伝説の一年をこの目で見届けた。ただただ、幸せな一年でした。

ホンダ、おめでとう。レッドブル、ありがとう。




❏ 音楽ファンとして
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今年はサカナクションのライブに行きました。
サカナクションの曲は、内省的で悩んだ結果に生まれてくるもので、ぼくには握りしめるお守りのように感じて好きです。曲だけでなくライブも傑出しています。
オンラインライブでは、演出と演奏を両立した映像作品として生配信する技術的な挑戦と唯一無二の体験が衝撃的でした。リアルライブでは、オンラインライブの世界観にファンの一体感が融合する至福の一時。
ライブで聴く夜の踊り子は、開放感と一体感で踊りが止まらなくなる自分が新鮮でした。こんなに踊れる曲だったんだ。本当に楽しかった。

演出に傑出しているU2とサカナクションのライブを見に行くのが、音楽ファンとして一つの夢でした。マイケル・ジャクソンは叶わなかっただけに、満足です。


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Tall Ships - Impressions (2017)
最後に、今年よく聴いたアルバムを一枚紹介します。

オルタナティブ・ロック系のイギリスのインディーズバンド Tall Ships。2017年リリースの最後のアルバム Impressions は今年特によく聴きました。迷い、ためらい、恐れなど、立ち止まった人を諭す歌詞の曲が中心のアルバム。「人生への所感」とテーマを解釈して聴くと、素直に受け入れられるようになりました。

Road Not Taken にあるように、人生は個々の決断の軌跡であって、その軌跡があるのも選ばれなかった道があったからこそ。自分でコマ図を書きながら進むようなもんかと思うと、適応障害の治療経過も良くなったように感じます。ラリーは人生のようと形容されますから、逆にラリーから生き方を学ぶのも手かと思うようになりました。自分には、合っているような気がします。
misuzu-eigojuku.seesaa.net




今年は、信じられないほど多くの方に支えていただいた一年でした。おかげさまで完治して、公私とも充実しています。
自分のコリと向き合う中で、「変わらないために変わる」「立ち止まるために走る」考えが芽生えました。振り返れば、それがアイデンティティのように感じます。
来年も、皆様にはお世話になることと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

よいお年を。では。