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写真で振り返る2018年


こんばんは。けーごです。

 

今年の日本は多くの災害に遭った一方、ぼくも私生活で散々な目に遭いました。自分にとっての今年の漢字は「災」だと思ったら、本家も「災」でした。ぼくは日本の縮図なのか?ならば、来年は輝く年にしよう。

 

今年は趣味で充実していました。今年を写真で振り返ります。



今年は昨年の撮り納めの現像から始めました。新たな現像方法を身につけ、とても有意義な写真でした。今年触った写真のうち、バイク以外で最も気に入った写真になりました。



就職活動を控えた研究室の同期で有馬温泉へ慰安旅行しました。近くて遠い有馬、いいところでした。同期はみな希望するところに就職を決め安堵しました。



モータースポーツ観戦を始めました。従来のオンライン観戦のF1,motoGP,Dakar,WRCに加え、現地でSUPER GT,鈴鹿8耐を観戦しました。(鈴鹿300km富士500mile鈴鹿8耐

 

今年、F1 2009 World Championのジェンソン・バトン選手がSUPER GTに参戦し、チーム国光よりRAYBRIG NSX-GTを走らせました。初めてF1を全戦観戦した年に総合優勝したドライバーを日本で見れるチャンスを逃してはいけません。友人からGr. Aの教育を受けていたこともあり、観戦しました。鈴鹿300km,富士500mileを現地観戦、もてぎ250kmをオンライン観戦し、3戦とも好成績でした。結果、総合優勝を果たし、感無量の一年でした。高橋国光監督、ジェンソン・バトン選手、山本尚貴選手、心からおめでとうございます。感動をありがとう。

 

F1 2018:Sebastian Vettel,motoGP:Valentino Rossi,Dakar・鈴鹿8耐:Team HRCを強く応援していましたが、総合優勝は叶いませんでした。一方で、WRC:TOYOTA GAZOO RACINGがマニュファクチャラーを総合優勝し、めでたい年でした。来季はどうなるでしょうか。楽しみです。



XLR250Rを購入して18ヶ月で20,000kmを達成しました。28年かけて42,000kmを走り、そのうち半分を自分とともにしたと思うと感慨深いです。



しかし、ピストンを焼き付つかせ不意にお別れを迎えました。以前、オイル漏れにより腰上を開けました。そのときに応急処置で使った純正ではないボルトによって予想以上にオイルを漏らしていたのではないかと考えています。高くつきましたが、いい勉強になりました。今でもXLRのナイフのような走りを恋しく思います。



そして、CRF250 RALLYを購入しました。セル・インジェクション・一次バランサー・水冷・フルカウルの恩恵は想像を遥かに超えました。最新バイクの快適さのあまりに走りすぎ、納車8ヶ月で20,000kmを達成しました。いいバイクです。



CRFを納車して以来、様々な二人組でツーリングしました。XLRのイシウラくんをはじめ、XR BAJAのたかしさん、R3のもこさん、FTRの同期、たくさん走りました。皆さん遊んでくれてありがとうございました。



SSTR 2018に参加しました。(記事
日の出に「千里浜で会おう」と父に電話し、三保松原から安房峠を経て千里浜を目指しました。父は潮岬から狼煙まで走り、千里浜で偶然出会いました。父と千里浜をビクトリーランしたことは、生涯の思い出です。SSTR 2019は研修で参加できないので、SSTR 2020でお会いしましょう。



SSTRのように日中を走り続ける旅をしました。

 

鈴鹿から敦賀を目指した自転車版SSTR「24 Century Ride」(記事

 

熊野を日帰りで巡った「紀伊闘走」(記事

 

日帰りでありながら充実した旅でした。雄大な景色と困難な過程に支えられたシナリオの旅を好むと痛感しました。どんどん旅に求めるものが大きくなってきましたが、そうでもしないと癒えないほど自分にとって困難な年でした。若いからできた旅でしょう。



日帰り以外にも大きな旅をしました。

 

3泊5日で東北を周遊した「行けるのか、東北。」(記事

 

雨夜を徹して920km走った東北ツーリング初日は、ライダーとして大きく成長させました。トラックやバスの運転手の走り方から多くを学びました。同時に、過酷な走りをしたのに風呂にも晩飯にもありつけない日でしたので、だいたいのことは「東北よりマシ」と思うようになりました。東北へは、半分行けました。花巻以北をいずれリベンジします。

 

5泊6日で北海道を周遊した「試されたくないツーリング」(記事

 

北海道は雄大で、ぼくらを受け止めていました。北海道は本当に広く、素晴らしい。旅には質と量に緩急をつけて走るべきだと学びました。宗谷岬、夕焼けのサロマ湖、晴天の知床峠、言葉にならない大きな感動を覚えました。北海道に帰りたい。北海道でお世話になった方々、ありがとうございました。



今年は、オンタイムラリーイベントを主催しました。

 

お試しで信楽山地を巡る「鷲峰」(記事

 

琵琶湖の語源を追う「淡海」(記事

 

滋賀の語源を追う「滋賀」(記事

 

どうすれば完走の喜びを演出できるコマ図を作れるだろうか?ライディングスキルを試しながら、滋賀を楽しんでもらえるよう試行錯誤しました。「滋賀」では、ぼく自身も試走の度に感動していました。来年からは愛知に戻ります。果たして、地元でも同じような感動を覚えるだろうか?来年の課題です。

 

ご参加いただいた皆様、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。次回も必ず期待に応えるイベントをご用意します。ぜひご期待ください。

 

ライダーを目指したいのかプロデューサーを目指したいのか、来年はどちらに重点を置いていこうか、贅沢な悩みを持ち始めました。人をライダーにさせるにはどういう写真で、どういう言葉で演出すればいいのだろうか。ライダーをラリーパイロットにさせるにはどう旅を、どういうラリーを演出すればいいのだろうか。サビーヌの待つ冒険の扉へぼくは人を導けるのだろうか。精進します。



バイクを通して日本の広さを知り、素晴らしい景観や歴史に触れる機会に恵まれた一年でした。まだまだ日本を知りません。ぼくは旅の途中です。来年も、終わりのない旅を安全に続けます。今年一年、お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。良いお年をお迎えください。

 

では。

滋賀 開催記

こんばんは。けーごです。

 

ツーリングタイムラリー「滋賀」を開催しました。今回はその報告です。

 

Sunrise Sunset Touring Rallyに参加して以来、無情な時計と自身の感情に向き合う旅を好むことに気づきました。「この道で合ってるのか?」「本当に間に合うのか?」走行に伴う感情の変化は、困難の要素になります。その困難を克服して素晴らしい感情を覚えれば、それは感動の要素になります。

 

パリダカのライダーはなぜダカールであれほど泣くのか? それは、砂漠や未舗装路を巡る8000kmの過酷な走りをした後に、いきなり大海原が眼下に広がるからでしょう。SSTRのライダーはなぜ千里浜であれほど感動するのか? それは、完走条件や日没までの時間と向き合う勇敢な走りをした後に、斜陽の千里浜が眼下に広がるからでしょう。

 

少しでもその感動を滋賀県で味わえたらと、様々なコンセプトのコマ図を公開し、イベントを開催してきました。いずれのコマ図にも共通したコンセプトは「滋賀県を知り楽しんでもらうこと」です。今回は、その中で「勇敢な走り」をテーマに、オンタイムラリーを企画しました。



滋賀
Be Brave
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滋賀とは、石処(シカ)の語源の通り、石の多いところを意味します。対して近江とは、淡海(あはうみ)の語源の通り、海を思わせるほど広い琵琶湖に由来します。つまり滋賀は、湖を岩石の豊かな山々で囲むところです。そこで、岩肌に沿う山深い道を幾度と縫った後に、湖を見渡せるコマ図を作りました。

 

滋賀県を知り楽しんでもらうために、岩肌や渓流を見れる道を選びました。具体的には、STAGE 1の権現谷林道や県道34号、STAGE 2の走井林道です。
権現谷林道は近江カルストの石灰岩に沿う林道です。何度走っても見惚れます。

 

走井林道は金勝山(こんぜやま)の花崗岩に沿う林道です。抑揚を楽しめます。

 

走行に伴う感情の変化に対して勇敢な走りをしてもらうために、山深く曲がりくねった単調な道を選びました。具体的には、STAGE 1の県道229号、STAGE 2の心行林道です。県道229号では、8kmの下りを通して、あと何分だっけ?遅れている?早すぎる?と走行を振り返る時間を与えます。心行林道では、ここまで時間調整してきたのにここから林道?タイトで全然挽回できないじゃないか!あとどれだけあるんだ?と対策してきた走行を否定する機会を設けました。制作者の用意したオンタイムラリー独特のシナリオを参加者はどう受け止め、克服し、勇敢な走りと感動に繋げていくのか、楽しみでした。



オンタイムラリーは、走行時間の正確さを競う競技です。ステージの走行時間が指示時間に近いほど高得点です。今回のラリーでは、ステージの指示時間と走行時間の差が1分であれば50点から1点減点する換算でした。例えば、60分で走るように指示されたステージを63分で走っても57分で走っても47点です。2ステージ制にしたので、100点に近いほど良い成績です。競技とはいえ草イベントなので、ツーリングタイムラリーと表現しています。今回は、MMGさん(XT660Z Tenere)、たかしさん(XR BAJA)、おたけさん(Tiger800XCx)にご参加いただきました。



11月23日
09:30 道の駅近江母の郷
北上するにつれて暗く・寒くなり、八日市以北では雨に降られました。ずいぶんと身体を冷やしてしまいました。それでも皆さんめげずに集合していただき、ありがたい限りでした。

 

10:30 STAGE 1 START(1:40:00 / 61.62 km)
STAGE 1をスタートしました。通常、初めのステージでは、参加者は制作者の距離計に合うように距離計のパラメータを調整します。しかし、今回は交差点の多く調整しやすい市街地をすぐに抜けてしまうため、早めに調整を終えなければなりません。果たして皆さん距離計のチェックを終えられたでしょうか。不安に思いながら途中までルート通りに走りましたが、迷っている方も見当たらなかったので、多賀大社前で休憩してフィニッシュ地点へ移動しました。

 

12:00 道の駅あいとうマーガレットステーション
フィニッシュ地点へ着きました。秋も終わるというのにひまわりが咲いていました。8月下旬に北海道でひまわりを見たときですら困惑したのに、11月下旬に滋賀でひまわりを見ると余計に困惑しますね。

 

12:20 STAGE 1 FINISH
STAGE 1は、たかしさんが満点で勝利しました。過去2回の開催で、たかしさんは初めのステージで好成績を収め、中盤に大きくミスし負けていました。対して、MMGさんは堅実に時間を合わせてくるため、総合では2回とも勝っています。現時点で、たかしさんはこれまでの傾向通りと言えます。MMGさんは序盤で急ぎすぎたため、時間調整を十分にできるほど残りの距離がなかったそうです。オンタイムラリーの難しいところはまさにここでしょう。おたけさんは、初参加ながら8分延でした。いいコンディションとは言えない天候では大健闘で驚きました。全員事故や転倒もなく安堵しました。

 

13:30 STAGE 2 START(1:50:00 / 59.88 km)
昼休憩を挟み、STAGE 2をスタートしました。初優勝に向けリードを築いたたかしさんには緊張が、リードを築かれたMMGさんには一抹の不安が垣間見えました。今回のSTAGE 2では、市街地から山へ向かうルートにしました。小刻みで単調な右左折と故意に描写を省いたコマでミスコースを誘います。この気の取られる市街地で時間を調整しきってしまうと最後の林道で遅れに繋がるようにルートを作っていました。果たしてこの七味は得点にどう効くでしょうか。貴生川で休憩してからフィニッシュ地点へ移動しました。

 

15:30 STAGE 2 FINISH
STAGE 2は、たかしさんが満点で連勝しました。これでたかしさんは100点満点でツーリングタイムラリー「滋賀」を優勝!また、MMGさんは94点と前回まででは優勝できた得点で完走しました。3戦3勝とはなりませんでしたが、3戦2勝でシリーズチャンピオンになりました。MMGさんは市街地で時間調整をしたら林道で遅れ気味になったそうです。用意したシナリオは機能していました。おたけさんは初参加ながら80点を超える高得点で完走しました。試走時のぼくの得点よりも高く驚きました。皆さんおめでとうございました!

 

(たかしさん撮影)
フィニッシュ地点の竜王山では、琵琶湖と湖南を展望できます。皆さんに感動していただけて嬉しいです。ただ見に来るだけでも綺麗に思いますが、これまでの走行を通してより演出できたと思います。なにより、無事に皆さん完走して安堵しました。



今回はコマ図のミスもなく、円滑に終えられてぼく自身も満足のいくイベントになりました。これからは冬期通行止や修士論文の執筆にかかるため、今回は滋賀県で最後のイベントでした。有終の美を飾れてよかったです。

 

必ずしも、冒頭に書いた意図がコマ図の走行を通してすべて伝わるわけではありません。しかし、滋賀を知り、滋賀を楽しみ、滋賀で勇敢に走れたかどうかは、フィニッシュ地点の歓声に現れたと思います。試走を繰り返しても感動できるこのツーリングタイムラリー「滋賀」は、ぼくにとっても誇れるものとなりました。近所でもないのにはるばるお越しいただける素晴らしいライダーに恵まれ、幸せな限りです。これに飽きず、これからも精進します。

 

では。

紀伊闘走

こんばんは。けーごです。

 

熊野三山と潮岬を周る日帰りツーリングをしました。今回はその報告です。

 

論文の執筆が佳境になりました。公私にその負担が及び、休まらない日が増えてきました。そこで、現実から逃げ、現実への英気を養うことを目的に日帰りツーリングを計画しました。雄大な景色と長大な距離を一日に詰め、自分を鼓舞します。

 

旅には、ride to hide / ride to fight をテーマに、紀伊闘走と名付けました。U2のアルバム『The Joshua Tree』収録の、Where the streets have no name から着想しています。あまりに影響されているので、以下にはじめの歌詞を紹介します。

 

I want to run, I want to hide
I want to tear down the walls that hold me inside
I want to reach out and touch the flame
Where the streets have no name

 

名のない通りで、走り、隠れ、抱えた壁を壊し、炎に触れたい。
惨めさと怒りに立ち向かう歌い出しはたくましく、何度も自分を鼓舞してきました。今回はたくましく走れるでしょうか。

 

旅のルートはこちらです(リンク)。
日の出を見るために、鈴鹿の千代崎へ。千代崎から潮岬・熊野三山を回り五條から帰ります。行程600km・2府4県を跨ぐ暴力的な距離ですが、日帰りなのでSSTRよりは気楽です。



11月10日
03:30 滋賀県草津市
ride to hide編のスタートです。日の出と景色の癒やしを目的にしています。国道1号を上り、一路鈴鹿へ。この道中の星空は、SSTRを想起させました。XLR250Rのライトは提灯でしたが、CRF250 RALLYのライトはとても明るいので、頼りになりました。

 

05:15 ファミリーマート鈴鹿神戸三丁目店
夜明けまで余裕があったので、休憩を摂りました。まだ精神的な疲労が残り、胃の痛い時間を過ごしました。

 

06:00 千代崎海岸
SSTR2017, 24 Century Rideで来た千代崎海岸です。家の近くで最も綺麗に日の出を見れる海岸です。バイクを停め日の出を待つと、散歩中の方と会いました。毎日綺麗な日の出を拝みたい。心の洗濯をしたい。海に求めるものはみな異なれど、海に頼るのはみな同じですね。話し込んだり、写真を撮り、撮られたりしたら7時になりました。朝焼けも終わり、出発しました。

 

今回、ナビを使いました。北海道で使えなかったのは、シガーソケット部の基盤上のコイルが破断していたからでした。はんだ付けして以来、順調です。千代崎から潮岬へナビを設定すると、12:45到着でした。いやいや、かかりすぎじゃ? ん?下道と高速で平均45km/h、休憩で30分かかるとして、12時? あながち間違いではない? 日没を琵琶湖でとの期待が、日没までに五条へとの任務に変わりました。「だからよ、どういう計算をしてるわけ?」の大泉洋のお叱りが聞こえました。

 

09:10 三重県尾鷲市
日本百名山の大台ケ原を拝みました。もう少し遠くから見ないと頂をはっきりと見えなさそうです。大台ケ原は降雨の多いところなので、山を見れるだけでもありがたいことです。

 

10:20 熊野速玉大社
熊野川の渋滞を抜け、速玉大社へ。4年前、友人と特急を乗り継ぐ紀伊半島の一周旅行中に、新宮に宿泊したことがあります。当時は十津川以外の紀伊半島に興味を持たなかったので、速玉大社へ参拝しませんでした。ようやく参拝できて嬉しいです。もうで餅が売られていましたが、本宮で買うことにしました。

 

11:40 道の駅くしもと橋杭岩
以前、特急で通ったときに、古座で露天した岩を見ました。国道からもよく見えたので、懐かしくなり撮りました。2枚目は当時撮った特急の車窓です。道の駅に着いてから、橋杭岩と知りました。古座の岩も、その一部なのでしょう。

 

人が小さく見えます。北海道でさんざん自然に圧倒されましたが、紀伊半島の自然も雄大です。ここまで山海ともに圧倒的な景色でした。高野山・熊野三山を抱えるだけあり、紀伊半島の規模は凄まじいですね。

 

12:00 潮岬
本州最南端、潮岬へ着きました。ride to hide編のフィニッシュです。まだ完調ではありませんが、かなり癒えました。ハングリアン民族なので、昼食にカップヌードルをいただきました。昼食中に、坂田さんというおじさんと会いました。潮岬では有名らしく「潮岬 坂田」と検索すると一発で出てきます。潮岬に来た人すべてに話しかけているんじゃないかというほどおしゃべりな方でした。

 

潮岬には、潮岬タワーがあります。潮岬タワーの駐車場で、Versys-X の方と出会いました。滋賀県草津市からお越しで、潮岬を日帰りするそうでした。驚きましたが、自分もたいがいです。アドベンチャーライダーの考えることは、似通うのかもしれませんね。

 

潮岬タワーでは、本州最南端訪問証明書をいただけます。四端訪問証明書には、本土版と本州版があります。北海道では本土版を集めましたが、本州版ではこれが初めてです。気長に集めます。

 

展望室からは、大峯山脈を望めました。八経ヶ岳も見れて満足しました。また、果無山脈も見えました。果無山脈は1000m級の山脈ですが、奥深いと思い込んでいたので、ここから見えることに驚きました。長居できないので、給油して那智へ急ぎました。ride to fight編のスタートです。

 

14:40 熊野那智大社
那智大社へ着きました。那智勝浦ICからつづら折りを駆け上がり、本殿まで470段の階段を上ると、自ずとありがたく感じます。那智大社は、結宮(むすびのみや)として人の願いを叶えるとされています。月並みながら、良縁と安航を祈願しました。

 

麓へ降りると、那智の滝が見えました。これほど立派な滝を見たのは初めてでした。しめ縄が一層厳かにしていますね。しばし言葉を失いました。

 

那智で15時。ここから紀伊半島を縦断しなければなりません。まだ本宮を残しており、すでに山間の道は日陰でした。残り250km、帰宅は21時でしょうか。日没までに五條すら厳しくなりました。

 

新宮からは国道168号を走りました。169号が通行止めなので、新宮から畿内へ抜けられる唯一の道です。この時間から上るライダーなどいるのでしょうか。北海道を思い出すほどのいい流れに助けられ、本宮まで疾走しました。

 

16:00 熊野本宮大社
本宮へ着きました。これで熊野三山を回れました。安心してお土産を買おうとしましたが、もうで餅屋さんが閉店。3分差で間に合わず、残念。代わりに、熊野三山ステッカーを買えて満足しました。時間も厳しいので、大斎原へは行かず、道の駅へ休憩しに行きました。

 

16:30 道の駅奥熊野古道ほんぐう
暮れの果無山脈がよく見えました。果無山脈の由来には、果てしなく続く山から果無とついた説と、ハテ(12月20日)に現れる人喰い怪物を避けて人がいなくなったハテナシ説とあります。紀伊半島らしい、逸話を持つ山脈のひとつです。調べるほど逸話の出てくる紀伊半島は、やはり規模が大きいですね。

 

道の駅では、子供たちが芝生で遊んでいました。だるまさんがころんだで遊んでいましたが、一人が突然「はたらくくるまがころんだ!」と言い出しました。どえらいことになっとるやん。紀伊半島は子供たちの遊びの規模も大きいのか。

 

17:00 十二滝
さすがにこんな時間に十二滝に寄る人はおらず、気楽に撮れました。那智の滝の後では感動も薄れてしまいましたが、国道沿線の滝ではかなり立派に思います。

 

ここから滋賀まで200km、五條まで100kmあります。ハイビームから戻さなくなってきました。しかし、流れは速い。センターキープメソッド(どんなコーナーでも車線の中央を走り続ける走法、マージンを保ち様々な挙動を練習できる)を日頃練習しているおかげか、知らない夜道でもテンポよく走れました。十津川村役場を過ぎると、中型バスを先頭にした車列に追いつきました。バスに譲ってもらい、大塔から五條まではものすごいペースでした。ナビの帰宅予想時刻がどんどん早くなる。地元民すごい。楽しく五條まで走り、本宮での予想時刻から1時間巻きました(!)

 

20:40 滋賀県草津市
五條からは京奈和・南阪奈・第二京阪で滋賀までバイパスしました。美原JCTの渋滞以外は順調に走り、無事に帰宅しました。

 

走行距離:612.2 km
走行時間:17:10:00



熊野の由来には、神の籠る地という説が複数あります。隈が隠れるを意味するから、古語でクマという言葉は神を意味するから、他にも多く見受けられました。紀伊半島が偉大なのは単に大和に近いからではなく、その存在自体に人々が畏れあやかったからだと思います。ぼくもその一人です。雄大な熊野を通して胃の痛さも和らぎ、感情を取り戻した気がします。あと3ヶ月、頑張ります。

 

では。