私は、闘う旅をしたい。
命を燃やす旅をしたい。
苦しさを喜びに変えて、
一つ涙する旅をしたい。
14の夏。御嵩の小峠から望んだ権現山の姿は、登坂の苦しみを喜びに変えた。登らないと見れない景色、味わえない感情がある。「ああ、ここまで登ったんだ」と噛み締める時間は、なんと尊いものだろう。生の実感を強く覚えた。
22の夏。SSTR 2017。XLR250Rを駆って初の長旅。距離への畏れ、自らへの励まし。葛藤の末に眼下に迎えた夕焼けの日本海。エンジンの咆哮に呼応する一筋の涙。日の出を太平洋で見て、日没を日本海で見る。葛藤と克服で旅を紡ぎ、物語を見出す。自然を貫くこの走りは、人生を変えた。
26の夏。人生100年、四半を過ぎた今夏。自然を貫こう。生を感じよう。太平洋から日本海へ。本州横断紀行2020も、自転車で走ろう。
過去2年は、東海地方出発の土地勘のある縦断ルートだった。体力こそ必要だが、どこを走ればいいかろくに下調べしなくても走れてしまう。もっと冒険したい。知らない道を走りたい。
東海地方を避けるべく、今年は横に走ろう。千里浜を目指そう。スタートは、日の出の綺麗な浜がいい。日立だ。安房峠で日本アルプスを越える500kmの自転車旅。旅はALPS500と名付けよう。
SSTRに始まった太平洋から日本海を目指す旅、自転車版SSTRは3回目になります。今回は、水戸から金沢。細かくいえば、茨城県ひたちなか市の阿字ヶ浦から石川県羽咋市の千里浜まで。関東は全く走ったことがないので、街も距離感もわかりません。
大まかにルートを決めてみると、4泊5日が収まりよさそう。自転車のパニアにテントが収まらないので、野宿を繰り返します。なんとかなるやろ。知らんけど。
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