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ルマン4時間耐久 in GT SPORT

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あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

今年は根を張る一年。お楽しみに。

 

さて、昨年正月に走ったルマン4時間耐久。今年もグランツーリスモSPORTで挑みます。

昨年は失策で負けました。今年は対策して臨みました。

 

❏ サルト・サーキットについて

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ルマン24時間は、サルト・サーキットで行われます。常設サーキット+公道で組み合わされる全長13kmのコース。いつかは行ってみたい。

サルト・サーキットでは、コースを使い切る走り方が求められます。特徴的なライン取りを3ヶ所紹介します。

 

1. 1コーナー ダンロップカーブ

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ダンロップカーブは、緩い右コーナー。直後にダンロップシケイン(2-3コーナー)を控えるため、出口はイン側にいなければいけません。ランオフエリアまで寄せた進入を見たときは衝撃でした。超アウト-イン-インのライン取りです。

 

2. 6コーナー テルトル・ルージュ

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赤い丘と呼ばれる公道区間への直角右コーナー。出口の縁石を大きく跨ぐライン取りです。汚れたランオフエリアに入る前にリアのグリップを減らすライン。足回りはこのコーナーに合わせました。アウト-イン-超アウトのライン取りです。

 

3. 14コーナー ポルシェカーブ

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常設区間へのアプローチになる高速右コーナー。カーブの路面断面が凸型のため、慎重に車を置きに行きます。イン-イン-インのライン取りです。

 

実際の予選ラップも、これら特徴的なライン取りで走っています。

youtu.be

 

 

❏ レギュレーションについて

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次に、世界耐久選手権とルマン24時間の規定を参考に、レース設定を決めます。

ドライバーは最大4時間まで連続運転可ですので、今回も4時間耐久とします。

タイヤは、6時間耐久で18本なので4/6倍の12本(3セット)を使用。コンパウンドはソフト・ミディアムを選択しました。

 

ソフトタイヤで練習して、タイヤ消耗と燃料消費の影響を調べます。

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タイヤ消耗ありでは、タイム良化の傾向がありました。これはタイヤの温まりによるものと考えています。ミディアムタイヤではこの傾向はありませんでしたので、実際どうなのかは不明です。ソフトタイヤは1スティント最大周回数の14周は持ちました。

燃料消費による軽量化でタイム向上するかと思えば効果なし。燃料は17周分ありました。

 

ソフトとミディアムで平均すると、4分13秒で周回できそうです。計算すると、56周で3時間59分30秒。56周なら14の倍数ですから、14周×4スティントでぴったり完走できます。しかし、トラブルフリーだと57周目に突入しそうです。後ろを見ながらスピードを落とすかしないと。

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序盤・終盤をソフトにして、勝負権を持つ作戦で行きます。中盤はミディアムのダブルスティントで、給油のみでピットを済ませます。40周付近の消耗したタイヤで粘れるか、事故らないか、が勝負の分かれ目と考えます。ライバルは4分14秒ペースですので、計算上では勝てそうです。

 

 

❏ NSX Gr.4について

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NSX Gr.4で参戦します。カラーリングは1995年鈴鹿1000km(クラス優勝)から。セットアップの前に昔話。

1995年、ルマン24時間ではGT1・GT2規定の車両が参戦に認められていました。ホンダは3台でルマンに挑みます。このうち、#84がGT2クラス優勝を果たします。これがチームクニミツです。現在SUPER GTでStanley NSX-GTとして活躍しています。

GT1規定初期の車両は、現在のGT3規定の車両並のパフォーマンス。であれば、GT2規定の車両はGT4規定で再現できるのでは?

グランツーリスモSPORT上では、GT4規定はGr.4に分類されます。NC1型NSXのハイブリッドユニット撤去・軽量化で25%減と仮定してGT2規定に合うように、NSX Gr.4は420PS 1360kgとしました。

 

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微アンダーステア、ユノディエール第一シケイン手前で6速レブに車を合わせました。柔らかい伸び側の減衰で路面追従を良くし、コーナー内側のタイヤを使う足回りです。それでいて、切り増してもフロントが入るアライメントにしました。乗りやすいです。

 

他の参戦車両はGT3規定。過去の優勝車から架空のコンセプトモデルまでいるので、一部紹介しましょう。

 

❏ 参戦車両

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#1 BMW M6 GT3 M Power

#101 BMW M6 GT3 Walkenhorst

優勝争いはこの2台と。過去4分7秒で周回したレースもあり、展開に要注意です。

 

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#57 Aston Martin V12 Vantage GT3

#77 Jaguer F Type GT3

イギリス勢。アストンマーチンは、DBR9 GT1で2008年ルマン24時間GT1クラス優勝の経験があります。

 

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#28 Audi R8 LMS

#35 Mercedes SLS AMG GT3

ドイツ勢。グランツーリスモSPORTのAIは速くないですが、実車は実力派です。

 

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N/A Ferrari 458 Italia GT3

#63 Lamborghini Huracan GT3

イタリア勢。フェラーリは488で2021年のルマン24時間 LM-GTE Proクラス優勝しました。さすがですね。

 

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#90 TOYOTA GR Supra Racing Concept

#54 LEXUS RC F GT3

#36 TOYOTA FT-1 VGT

トヨタ勢。FIA Gran Turismo選手権 2021では、トヨタがチャンピオン取りました。

 

 

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#4 Ford GT LM Spec II Test Car

#59 McLaren BMW F1 GTR

往年の名車勢。1995年総合優勝の国際開発マクラーレンとリバイバルのFord GTです。ストレートの速さは折り紙付き。

 

GT3に対してGT4規定の車両で挑むので、決勝は最下位20位スタートです。

 

❏ 決勝

LAP 1 コントロールライン

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本家同様、15時設定でスタートしました。NSXがコントロールラインを通過した頃には、M6は3コーナーを通過しています。4時間ありますから、まずはソフトの14周でじっくり詰めましょう。

 

LAP 1 ユノディエール

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とはいえ、下位マシンを早めに処理しなければ、M6とのタイム差は広がるばかり。1周目からアグレッシブに走り、20位→14位。

 

LAP 2 インディアナポリス

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せっかく抜いても、長い直線があればトルクに勝るGT3に抜き返されます。インディアナポリスとポルシェで挽回していきます。

 

LAP 3 ダンロップカーブ

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2周終了時点で9位。まだ、これからです。必死に前を追いかけます。

 

LAP 3 ユノディエール

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テルトル・ルージュで追いつく、第一シケインで抜く、第二シケインで抜かれる流れです。第一シケイン手前が最高速になるので、ブレーキ勝負では前に出れます。その後すぐに抜かれるので、コーナー区間で挽回するまで待ちの展開が続きます。

 

LAP 4 ダンロップシケイン

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GT3相手では、奥でブレーキして抜いても、すぐに抜かれます(レコードラインより車速が落ちた後の加速勝負になるため)。が、森のS字(4-5コーナー)の飛び込みでインを守れば堅守できます。テルトル・ルージュで車速を乗せて、振り切りって前を追いかけます。

 

LAP 4 ミュルザンヌ

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6位まで上がりました。先頭のM6が見えます。でも、ここからが遠い。

 

LAP 5 ダンロップカーブ

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マクラーレンF1を抜きます。この車はダウンフォースが著しく少ないため、コーナー入口で差すのが無難。

 

LAP 5 アルナージュ

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スロットルを早く・大きく開けてしまいハーフスピン。車は絶対壊せないので、これぐらいで済んでよかった。

 

LAP 7 アルナージュ

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7周目はブレーキングポイントを誤りグラベルへ。想定していたラップタイムよりも1秒遅く周回しているために、焦りが走りに現れます。それがまた遅れに繋がる。先頭は見えません。

 

LAP 9 ユノディエール

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先頭が見える位置まで来ました。9周(38分)の時点で3位であれば、ひとまずこの3台で表彰台を分け合うのは確実でしょう。

 

LAP 11 第一シケイン

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2位のM6に最初に仕掛けますが、路肩に寄せられてグリップを失いオーバーラン。ブレーキが真っ赤です。GT4のリアブレーキロータはカーボンじゃなさそうですね。

 

LAP 14 第一シケイン

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3度目のアタック。前に出ましたが、ミュルザンヌ以降で抜き返されました。

 

LAP 14 フォードシケイン

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1スティント最大周回数の14周のため、ピットイン。ミディアムタイヤへ交換・給油します。コンピュータは燃料がなくなるまで走る仕様のため、ピットタイミングは指示できません。いつ入るかは燃費次第です。

 

LAP 15 ダンロップカーブ

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ピットアウト時点で7位。ピットタイミングが1周差のようで、アウトラップ終了時点では4位になりました。

 

LAP 16 ミュルザンヌ

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ミディアムタイヤでは、28周走る必要があります。リアタイヤを横向き・縦向きにはっきり分けて使うことで過度に熱を与えないよう気を配ります(摩擦円で言う、十字にしか動かない)。

 

LAP 18 ダンロップカーブ

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M6 2台がピットアウト。ソフトよりもペースの劣るミディアムでのアンダーカットはならず。ただ、GT-Rと#101 M6が競りそうなので、逃げられるわけではないかも。

 

LAP 19 インディアナポリス

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追い詰めるほどのペース差はありません。19周目でGT-Rがピットイン。燃費がいいのでしょうか。この後、前の#1 M6が#101 M6へアタックを始めました。

 

LAP 24 ユノディエール

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先頭入れ替わり、#101 M6が2位に。ジリジリ詰めて、ようやくスリップストリーム圏内に入りました。最初のアタックを試みます。バトルに持ち込むことで、少しずつ相手のペースを下げていきます。

 

LAP 25 ダンロップシケイン

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差しに行きますが、相手も引きません。右に切り込めば接触のリスクがあります。ここは譲って、次の周回でのチャンスを伺います。

 

LAP 26 ユノディエール

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2台のスリップストリームをうまく使え、2車線の公道を280km/hのスリーワイドに!

ペースの劣るミディアムタイヤで前に出ることは、実質的に1位になることを意味します。給油後のアンダーカットを成功させ、レースを優位に進めたい。そのためにも、この周回はしっかりブロックラインを守りました。

 

LAP 28 ミュルザンヌ

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周回遅れのRX VISIONが現れ、ブルーフラッグが振られ始めました。周回遅れと絡み始めると事故のリスクも増えます。給油ピットが近いので周回遅れの処理はしばらく後になりますが、気をつけましょう。

 

LAP 28 フォードシケイン

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給油ピットに入ります。タイヤ交換の6秒が削れるので、M6ピットアウト後でも先頭を守れそうです。

 

LAP 34 ダンロップシケイン

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無事、先頭を守れました。これだけのリードがあれば、ソフトタイヤに交換するまで残り8周も落ち着いて走れそうです。

 

LAP 35 フォードシケイン

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そう思ったところで、周回遅れを避けようと切り足し気味でシケイン出口の立ち上がり、リアタイヤが持ちませんでした。止まりきれず、ほんの少し壁に接触。クラッシュ判定にはならなかったので、かすり傷以外のマシンの損傷はありません。10秒ロスしました。

 

LAP 36 ミュルザンヌ

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マージンは消え、ストレートでは追い立てられます。1台分のスペースは開けていたのに、なぜか外へすっ飛んで行きました...

 

LAP 39

 

ズルズルのタイヤでも、必死に前へ進めます。リアタイヤに斜め方向の摩擦をかけないように注意を払いながら周回しました。デグラデーションが少なく、想定していたラップタイムよりも1秒早く走れていたことは救いでした。

 

LAP 48 フォードシケイン

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ソフトに履き替えて猛追します。M6は17周ごとにピットをしているはずなので、ピット済みの自分とまだのM6では40秒差がついていることに。しかし、去年は4分7秒で周回して逃げられたことがあります。車のポテンシャルとしては十分余裕で出せるので、気を抜けません。

できる限りマージンを稼ぐためにも、必死に飛ばしていきます。

 

LAP 51

まだ先頭の#101 M6が見えなかったのでファステストラップを連発して追います。この周でピットインしたので、これ以降は車を持ち帰ることに専念しました。勝利をほぼ手中に収めていますが、チェッカーを受けるまでは何が起こるかわかりません。

 

LAP 56 コントロールライン

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57周目に突入するか微妙なラインと感じていたところ、56周目で4時間経過し、チェッカーを受けました。昨年は3位、今年は優勝!リベンジ成功です。

 

 

❏ リザルト

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ソフト・ミディアムの選択は正しかった。序盤で下位マシンを捌ききれたことが、レースの主導権を握っていく上で大きかったと思います。戦略を練る、マージンを取る、といった去年の反省を活かせて満足のレースでした。4時間耐久には慣れを要しますが、オンライン対戦でもこういう企画ができたら楽しいでしょうね。

実際のレースでは、今年こそF1を見たい。SUPER GTも現地観戦してチームクニミツを応援します!富士24時間も見れたらいいですね。

 

今年は新たなチャレンジよりもすでに試したことを掘り下げていく一年になります。着実に進めたいですね。

 

今年もよろしくお願いします。では。