ライダーたるもの、一度は北海道を志す。北の大地、雄大な大地を駆ける。風を切り、草をなびかせ、太陽とともに日々を過ごす。ああ、なんと素晴らしい。
鉄道でも北海道を楽しめるが、廃線があまりにも多い。鉄道のなくなってしまった場所も楽しみたい。そして、北海道には日本百名山 1番目の利尻山がある。百名山に興味を示し、巡り始めて最初の夏、7座の百名山を抱えた北海道を満喫したい。
この素晴らしい北の大地を何事もなく無事に楽しみたい。試されたくないツーリングと名付けよう。試されませんように。
0日目 8月18日,19日
0日目は舞鶴から小樽へ渡航し、札幌で泊まります。移動の一日です。
今回は友人と二人、CRF250 RALLYとCB1300 SUPER BOL D'ORで旅をします。洗車と整備をし、早めのご飯を食べ、舞鶴へ向かいました。夜の高速は楽ですね。
バイクで乗船は初めてです。乗船前にほのかに緊張しました。先日つけたナビがつかなくなりました。充電された古い本体バッテリーではもたないようです。そこで、シガーソケットから給電して使えるか試しました。しかし、つきませんでした。シガーソケットからUSBに変換する純正の配線が壊れました。早速お荷物になりました。残念。
出港では揺れましたが、海流に乗ると収まりました。翌日は航海を写真を撮りながら楽しみました。奥尻島に近づくと電波が入りました。船内ではジャグリングショーが行われていましたが、バイトの雰囲気がものすごく、いたたまれない時間を過ごしました。
北海道に着きました。湿気もなく冷えていました。今晩は札幌に住む友人の家にお世話になります。まだ北海道を走っている実感が湧きませんでしたが、銭函ICの案内を見ると湧いてきました。「どうだ?北海道の空気はうまいか?」と草津で入れたガソリンに話しかけていました。走りっぷりではおいしそうでした。
友人の家に荷物を降ろし、すすきのまで歩きました。北海道ではあじさい・ひまわり・コスモスが一度に咲くという話で、嘘やん~と沿道の花壇を見たら本当に揃って咲いていて驚きました。目が忙しいですね。
セブンイレブンに札幌の味噌ラーメン「すみれ」のカップ麺があります。本物はどれぐらい似ているのか興味を持っていました。本物はやはりおいしい。ついついたらふく食べてしまいました。また来たいです。
1日目 8月20日
小樽→夕張→美瑛 314.7 km
北海道での走行距離は小樽から計測しています。1日目は、別の札幌の友人と三笠の鉄道文化村まで一緒に走りました。三笠から富良野を経て美瑛でキャンプ泊をしました。
パチンコで5万円勝つ夢を見ました。やったことないのに嬉しいなあと起きたら、集合時間でした。慌てて友人宅をスクランブル発進。遅れて申し訳ない...
Aprilia RS4 125に乗る友人と夕張を経由して三笠までの130kmをともに走ります。札幌の友人は二人とも合同写真展「華」でお世話になった北大写真部の学生です。(合同写真展「華」は、好景観な写真の撮影地へ来場者に旅行を斡旋するコンセプトの写真展。2015年夏~2017年春に開催)写真展が終わってもなお交流を持てていることに感謝しきりです。素晴らしい友人に恵まれ、光栄です。
こんばんは、水曜どうでしょうです。試されたくないツーリング、今夜は第1夜です。
水曜どうでしょうの前枠・後枠の撮影地といえば、平岸高台公園。HTBの旧社屋の裏にあります。散々見た景色をいざ見ると、本当に普通の公園です。いろんなネタを思い出し、楽しい時間を過ごしました。
長沼の道の駅に着きました。北広島を超えていきなりガソリンスタンドがなくなるというので慌てて給油したら、本当になくなりました。ことごとく信号がないのでとても走りやすいです。長沼かりんとう饅頭と、白い恋人チョココーヒーを飲みました。かりんとう饅頭はお腹に来ますがとてもおいしかったです。チョココーヒーは、チョコシェイクのようでした。
新夕張に着きました。北海道を18きっぷで旅したときは新夕張で1時間待ちました。そのときは呆然と駅で待っていましたが、ほんの少し歩けば道の駅があったんですね。道中にメロンから熊の顔が飛び出たキャラクターがいてドン引きしていました。まさか道の駅に専用コーナーがあるとは...
夕張メロンを実家に贈り、メロンソフトをいただきました。苦手な食べ物に挑戦して克服してきましたが、メロンだけは未だに苦手です。しかし、このソフトはとてもおいしかったです。いいものを食べればおいしいのだと実感しました。
三笠の鉄道文化村が休館日でした。ここにキハ82系が展示されていると思っていましたが、近くのクロフォード公園に常時展示されていました。不幸中の幸いでした。
ここは、全国で唯一キハ82系を編成で静態保存しています。先頭車を展示するところは他にもありますが、食堂車のキシ・グリーン車のキロもつないで展示しているのはここだけです。とても貴重でした。好きな車両を見るのはいつだって素晴らしいですね。
芦別をバイパスして富良野へ来ました。今日は旭川郊外の西神楽でキャンプ泊をする予定でしたが、間に合わないので、美瑛でキャンプ泊にしました。キャンプ場に電話しても、0時までに来てくれればいいので~しか言わないので驚きました。
十勝岳スカイラインで素晴らしい夕景を眺めながらキャンプ場へ向かうと、通行止めになっていました。脇に伸びている林道を通っても通行止め。20kmほど遠回りしてキャンプ場につけました。ハングリアン民族なので、晩ご飯はカップヌードルでした。サッポロクラシックを飲んで早々と寝てしまいました。
2日目 8月21日
この日は、美瑛を散策し道の駅に寄り天塩へ北上しました。ようやく海を見ました。
開店と同時にスタンプを押しました。青い池のご当地Tシャツがあるかと期待していましたが、ありませんでした。残念。
ぼくはタバコを吸わずテレビも見ないので、マイルドセブンのCMがどんなものだったのか知りません。どこかでこの写真を見たことがある気がしました。いい景色ですね。マイルドセブンを吸っているライダーが印象的でした。
商工会にフードコートと売店をつけた施設のようでした。隣にはショッピングタウンがあり、市内の拠点のひとつのようでした。旭川ステッカーを購入しました。これから国道40号を北上します。
塩狩峠を超えました。パン工房があり、メロンパンをいただきました。とてもおいしかったです。シンプルなメロンパンはいいですね。横にはXR650Rとハスクバーナ701が止まっていました。土地柄、北海道のオフローダーはビックオフを好むのでしょうか。
フルーツ大福が有名なようです。18種類あり、自衛官がどれを食べようか悩んでいるのが印象的でした。ぼくはハスカップ大福をいただきました。甲子園の決勝も中継されていて、大福を食べながらしばらく見入ってしまいました。
かなり北まで来ました。しかし、まだ天塩まで100kmあります。余裕のある日だと思っていましたが、次第に北海道の広さを知り始めました。
わずかに利尻富士が見えました。今晩は雨の予報だったのでライダースハウスに泊まりました。自転車で日本一周に挑戦している学生と、スーパードライ専用の保冷バッグをカブに積んで走り一晩で10本ぐらい飲んでいたおじさんとともに一晩を過ごしました。
3日目 8月22日
この日はオロロンラインとオホーツク国道をひた走る日でした。当初は網走まで走る予定でしたが、北海道の広さを思い知る日でした。
"やや"果ての地へ着きました。暴風でバイクの止める向きを考えないと転倒させてしまいそうでした。CRF250 RALLYはスタンドが少し長いので、止めたときの車両の向きを気にしないといけません。本当に素晴らしいバイクなだけに、玉に瑕です。
宗谷丘陵の白い貝殻の道へ来ました。宗谷にはホタテの加工工場があり、今まで廃棄していたホタテの貝殻を道に撒くようになったそうです。いいアイデアですね。サハリンまでは見えませんでしたが、いよいよ最果てが近づいてきました。
ついに来ました。とても嬉しい。あまりの達成感に、土産屋で涙がこぼれました。フェリーを使ったとはいえ、ここまで走って、日本で最北の地にいられる達成感は凄まじいものでした。これがすべて自走だったらさぞ感動するでしょう。ご当地Tシャツを集めることを楽しみにしていたので、思わず3枚買いました。ペナントは残念ながら売り切れていました。向かいのお店で海鮮をいただき、最北端のガソリンスタンドで給油証明書とお守りをいただきました。
強い横風でした。道の駅ではTwitterのフォロワーが横に止めていて驚きました。
この世のものとは思えない景色でした。すごい。空が広い。
エサヌカ線から網走まで250km以上あります。この日は温泉に寄ってライダースハウス泊を考えていましたが、現実的に着けません。400km走る日にキャンプはつらいので、ホテル泊を軸に考えました。網走にひとつ、サロマ湖にひとつ見つかったので、紋別で決断することにしました。
流氷塩サイダーをいただきました。この日は道東で31℃ととても暑い日でした。本州では富山で酷暑を記録していましたね。北海道で熱中症になっては洒落にならないので気をつけました。
また、北海道の学校はすでに2学期を始めていました。小学生が学校終わりに道の駅に集まって遊びに行く様子を見て、道の駅が街の拠点であることを子供たちにまで染み付いていると感じました。いい風景でした。
閉館間際にスタンプを押せました。セーフ。紋別は網走までに通る最後に大きな街です。湧別も街ですが、宿が近くにありません。もう一度今晩の空き部屋を探すと、網走のホテルが埋まっていました。残るはサロマ湖のリゾートホテルのみです。ものすごい値段です。温泉や食事が充実しているようなので、泊まることにしました。これまで、人の家・テント・ライダースハウスと泊まって貧乏旅行感が出ていたのに、いきなりリゾートホテル。昨日のライダースハウスで30連泊できる値段です。振り幅がすごい。これも旅ですね。
ホテルへ向け疾走していると、サロマ湖畔に出ました。湖面の反射する夕景が素晴らしい。絶景に見惚れ、夢中で写真を撮りました。この日、400kmを走った疲れを忘れさせる瞬間でした。宗谷岬やエサヌカ線に感動した傍ら、SSTRのごとく真剣に走り続けなければならなかっただけに、過酷な一日でした。地図では疎かにしてしまう北海道の本当の広さを思い知る午後でしたが、帳消しです。
ホテルに着きました。フロントマンに「今日はどちらから?」と尋ねられたので「天塩かr」と言いかければ「お疲れ様です!!!」と食い気味に返ってきました。「網走を目指していましt」と言いかければ「無理です!!!」とまた食い気味に返ってきました。網走から宗谷は1泊する行程だそうです。今思えば、去年のSSTRが360kmでしたから、そりゃ無謀か。
夕食なしのプランでしたので、セイコーマートで蓄えた食料をリゾートホテルで貪り食い、温泉で癒やされ、ゆっくり寝ました。セイコーマートは神。
4日目 8月23日
この日は最東端へ向けて移動する日でした。かねてより越えたかった知床峠を通ることを最大の楽しみにしていました。
網走へ着きました。前日の遅れを取り戻しました。思わず口ずさみたくなる名前ですね、流氷街道網走。売店では、ひたすら網走刑務所をネタにしたグッズを売っていました。記念に網走刑務所Tシャツを購入しました。「泣く子も黙る極寒地獄 どうせ死ぬなら娑婆で死ね」男は背中で語るものであるのなら、語りすぎな上に決意が堅くクセが強い。
道中、斜里岳のよく見えるところで記念写真を撮りました。知床連山から斜里岳と羅臼岳が日本百名山に選ばれています。網走からは斜里岳のほうが素晴らしく見えました。勇ましい。
また、北浜駅の手前から自転車に乗る青年と追い抜き際にヤエーをしていました。抜きつ抜かれつでヤエーをしあっていたら、道の駅で声をかけていただきました。北海道を半周しているそうです。今晩は弟子屈に宿泊するそうで、ヤエー合戦はここでおしまいとなりました。よい旅を、ご安全に。
知床半島の玄関口、ウトロへ来ました。知床半島が世界遺産に登録されてから栄えた町のようです。道の駅では売店や食事処のほか、野生動物との向き合い方が展示されているなど、よくまとめられた施設でした。鮭の親子丼をいただいて、峠を目指しました。
知床峠に着きました。素晴らしい峠でした。今まで走ってきた中で最も感動した峠でした。海を眺めながら駆け上がり、羅臼岳を拝みながら上ったところで北方領土の国後島を望む感動は、とても表せられません。知床峠は全ライダーに走っていただきたい峠です。羅臼岳を前に何枚も写真を撮りました。北海道を走った友人が強く勧めていたのもうなずけます。ぼくも皆さんに強く勧めます。ウトロから峠を目指すことを勧めます。心から感動しました。
野付半島に来ました。道の両側が海。北側には、知床半島と国後島が見えました。サロマ湖の砂州を走れなかったので、この景色に圧倒されました。もう少し先にあるナラワラというところでは、塩害によって枯れた木々が立っていて世紀末のような世界のようです。ここで引き返して、温泉へ向かいました。
温泉に浸かりました。野付半島が見え、いい眺めでした。フェイスタオルが販売されておらず残念でした。
キャンプ場へ着くと管理人がいませんでした。電話をしても暗い建物からベルが聴こえます。先客によると、このキャンプ場では14時~16時が受付時間のようです。そんな!ここから次に近いキャンプ場は、40kmあります。しかし、もう燃料がありません。最寄りのガソリンスタンドも閉店しています。仕方がないので、必要な情報と料金を同封した手紙を扉に貼り付けてテント泊しました。18時で受付けできないキャンプ場があるとは盲点でした。今まで泊まってきたところが恵まれていましたね。こういう試され方もあるか。いい教訓になりました。
5日目 8月24日
この日は当初の案では浦幌までの400kmの行程でした。しかし、台風19号・20号の接近に伴い、順調には行かないだろうと勘案しながら走り始めました。
地元で大人気の回転寿司とツーリングマップルに記してあったので、来ました。何を食べてもおいしい。北海道の回転寿司は評判通りでした。この一本穴子が食べるととろけてほっぺたもとろけました。値段を見て引き締まりましたが、とても満足しました。
青看板マグネットを買い、ソフトクリームをいただきました。ソフトクリームのお金を払うだけ払ってベンチに向かおうとしていました。危ない。すごい客になるところでした。この旅で何度かソフトクリームを食べましたが、ここのソフトクリームが最もおいしかったです。
雨が降ってきました。根室に昼にいるので、今日は余裕を持って弟子屈のとほ宿に泊まることにしました。当日予約でも快く受け入れていただきました。チェーンに注油して、一気に弟子屈へ向かいました。
100km近く走りました。北海道の下道はよく流れているので楽でした。お菓子とそばを実家に贈り、観光しに出発しました。
霧の摩周湖に来ました。摩周湖といえば霧。母も摩周湖に来たときは霧だったそうです。晴天に摩周湖を見ると婚期が遅れる噂があるらしいですね。バッチリ摩周湖見えてるけど曇天やしセーフやろ!セーフやセーフ!次は霧の摩周湖をぜひ見たいです。
いや、いま霧じゃなくていい。
砂を掘ったら湯の出る砂湯に来ました。ブーツが濡れているので写真だけにしました。弟子屈は、岩場と川のテシ・カから来ているそうです。湖の魚を網漁するための杭が岩場で打てないことからついた名前だそうです。こうして語源を知ると、北海道の地名に興味が湧きます。おもしろいですね。
とほ宿に着きました。ゲストハウスはこういう宿なんですね。お金に余裕のある旅行では積極的に使いたい宿でした。食事もおいしく、ルールも厳しくない。ゆるめなユースホステルの印象でした。これは旅人に素晴らしい宿を教えていただきました。いい経験でした。
6日目 8月25日
最終日は苫小牧東港まで走りました。終始雨天でした。
阿寒湖を囲む山が2峰あります。雄阿寒岳と雌阿寒岳です。日本百名山には雌阿寒岳が選ばれています。弟子屈から阿寒へ抜ける国道241号の双岳台からは、両阿寒が見えます。写真に見える切り立った山が雄阿寒岳、なだらかな山が雌阿寒岳です。いい景色でした。
阿寒湖畔に寄り道してから南下しました。阿寒といえばまりも。マリモッコリのグッズは見る影もありませんでした。時代の流れに驚きました。
帯広に来たなら六花亭。帯広に寄ったのもここのパイを食べたいからです。消費期限3時間のサクサクパイ。とてつもなくおいしいのです。札幌と帯広の六花亭で食べられます。店内でコーヒーをいただけるので、素晴らしい食後のデザートになりました。
しばらく日勝峠の疲れを取るために休みました。苫小牧からのフェリーの切符はすでに発券しているので、チェックイン時間を気にせず走れます。ゆっくり休んで、太平洋を目指しました。
セイコーマートで最後までお世話になり、苫小牧に着きました。この旅もいよいよ終わりです。荒天でフェリーが揺れに揺れ、ぼくも酔いに酔いました。
21:00 新日本海フェリー敦賀港
フェリーでは、ぼくの横にCRF250 RALLY、後ろにXLR BAJAが止まっていました。新旧ツーリングオフロードバイクが揃い、涙ものの下船待ちでした。インジェクション・セルモーターの恩恵を大きく授かっていますが、たまにキックを打ちたくなります。いいバイクだったとXLRに思いを馳せる瞬間でした。
帰宅しました。よく走りました。事故や検挙もなく無事に帰れてよかったです。
走行経路:小樽→宗谷岬→納沙布岬→苫小牧
走行日数:5泊6日
走行距離:1979.7 km
走行経路:舞鶴→小樽→宗谷岬→納沙布岬→苫小牧→敦賀
走行日数:7泊8日
走行距離:2258.9 km
平均燃費:35.0 km/L