こんばんは。けーごです。
F1 2022 日本GPを観戦しました。
ハミルトン vs フェルスタッペンのチャンピオン争いが激化していく中で迎える予定だった2021年の日本GP、鈴鹿サーキット(ホンダ)の調整むなしく、政府の意向で中止になってしまいました。
フェルスタッペンがチャンピオン獲得したあの最終周は生涯忘れないでしょう。
2022年は、フェルスタッペンにとっても、ホンダにとっても、凱旋となるわけです。これを見ずしていつ見る。
図らずして、2022年の日本GPでフェルスタッペン戴冠決定の可能性が高くなっていました。
加えて、最も好きなドライバーのセバスチャン・ベッテルの引退も決まってしまいました。
いてもたってもいられず、すべての走行セッションを見るために金曜日から鈴鹿に行きました。
10/7 09:00 鈴鹿サーキット
サーキットに着くと出待ちを発見。待ってみたらベッテル!
最愛のドライバーが目の前を通る喜び。もうこれだけでチケット代は元取れました。F1を好きになり、レッドブルを応援するようになったのもベッテルのおかげ。引退は寂しいけど、いい週末を送ってくれるといいな。
入場すると、全20名の公式写真がお出迎え。すごい。これが世界選手権か。
一番目立つところにベッテルが。鈴鹿を世界一のサーキットだと常に公言し、日本に深い愛情と敬意を示してくれました。鈴鹿4勝、コースレコード保持者です。もう二度と破られないでしょう。
Sebastian Vettel's Onboard Pole Lap | 2019 Japanese Grand Prix | Pirelli - YouTube
2011年には、鈴鹿で2回目のワールドチャンピオンを決めました。東日本大震災に触れて、日の丸柄に絆と書かれたヘルメットを被ってくれたことに、強く勇気づけられました。
このときのスケールモデルは宝物。
ずっと応援してるよ。
12:00-13:00 FP1 130R
#5 Sebastian Vettel / Aston Martin
フリー走行1回目。まずは130Rで撮ります。ベッテルは真っ先にコースに出てくれました。
#22 角田裕毅 / Alpha Tauri
日本人の角田くんも順調に周回を重ねていきます。初めての母国GP、力まず、車壊さないようにね。
#1 Max Verstappen / Red Bull
フェルスタッペンもセットアップ中。
#44 Lewis Hamilton / Mercedes
ハミルトンも快調に周回していきます。イニシャルがはまっているのか、堅実に周回していました。
水煙が空気の流れを可視化してくれているので、こうして見ると流れ場がよくわかりますね。流体力学・自動車工学の専門的な話になるのでここでは深く触れないようにします。
サーキットを歩きながら、SUPER GTや8耐との設営の違いを感じ取ります。通路からコースが見えないように目隠しされており、指定席購入者への不利益がないよう配慮されています。
15:00-16:30 FP2 スプーンコーナー
#3 Daniel Ricciardo / McLaren
フリー走行2回目。今度はスプーンから。凄まじい水煙です。
#22 角田裕毅 / Alpha Tauri
グリップするラインを探りながら角田くんも力走を続けます。
#44 Lewis Hamilton / Mercedes
7回ワールドチャンピオンに輝いたハミルトン、さすがにミスなく同じラインをトレースし続けます。
場内放送の解説は佐藤琢磨さん。曰く、タイヤラバーの乗ったドライのライン上は雨を弾いて水たまりになるために、雨は少しずらしたラインを走るのだそう。たしかに、このスプーン進入もレコードラインからタイヤ一つ分内側を走っていますね。
#5 Sebastian Vettel / Aston Martin
F1では、タイヤのサイドウォールの色で種類が異なります。青は深溝のウェットタイヤ。緑は浅溝のインターミディエイトタイヤ。
鈴鹿のアスファルトは粗く、F1の強烈なダウンフォースのおかげで雨でもインターミディエイトでグリップするのだそう。
午後は多くのドライバーがそれぞれのタイヤの寿命を知るためにロングランを繰り返していました。
#1 Max Verstappen / Red Bull
勝つ車からオーラを感じることがよくありますが、フェルスタッペンからも同様に感じます。
#22 角田裕毅 / Alpha Tauri
スプーン2個目の進入が個人的に難しく感じます。JAF-F4とF1の違いは計り知れませんが、少しずつラインが安定してきた様子を見守っていました。
#14 Fernando Alonso / Apline
アロンソのペースは好調。車のセットアップはかなり良さそうです。
#16 Charles Leclerc / Ferrari
ルクレールの車も速そう。鈴鹿でフェルスタッペンに8点多く獲得されるとチャンピオンを逃すため、踏ん張りどころ。
今年のフェラーリは完成度の高い車を持っています。レースは戦略家が意味不明な采配を採るので自ら負けに行く展開を送り続けています。元来フェラーリは統率の取れないチームなので仕方ありませんが、がんばってほしいです。
#22 角田裕毅 / Alpha Tauri
世界選手権を戦う日本人を日本で見守る気持ちは独特。
#55 Carlos Sainz Jr. / Ferrari
WRC・ダカール総合優勝のサインツSrを父に持つサインツ。車は良さそうです。
#5 Sebastian Vettel / Aston Martin
ウェットタイヤは7セットしかない中で、ベッテルは精力的に周回していきます。タイヤの数が足りるのかわかりませんが、デグラデーションの感触を入念に確認しているようでした。
#1 Max Verstappen / Red Bull
フルウェットタイヤでも、GT500のコースレコードより速いF1。インターミディエイトでもスプーンの速さは衝撃的。
土曜はドライコンディションの予報なので楽しみです。
10/8 10:00 1-2コーナー
#12 RA272 佐藤琢磨
HRC設立40周年記念で、歴代の名車を二輪・四輪でデモランするイベントが開催されました。
琢磨の駆るRA272は、1965年にホンダが初めてF1でグランプリ優勝を遂げた本物の車両。オイルパンにフィンを立ててオイル偏りを防ぎ、焼き付き防止を狙ったことが優勝のカギだった、とプロジェクトXで見たのを思い出しました。
#100 RABRIG NSX-GT 山本尚貴
2020年、最終ラップのフィニッシュまであと400mで抜いて逆転チャンピオンを獲得したレイブリッグ。やっぱりこの色が好きだ。
#6 RC213V 高橋裕紀
ステファン・ブラドルのバイクでデモランをする高橋選手。CBR1000RRから続くこのHRCカラーが好きすぎるために衝動的にロードバイクを欲しくなる発作がたまに起きます。
15:00-16:00 予選
予選を前に、回収作業のリハーサルが各コーナーで行われていました。どうか事故なきよう。
メディカルカー、セーフティーカーの順にコースインし、セーフティーカーがとてつもない勢いで周回していきます。これが市販されているというのだから驚きです。
金曜は3万8000人、土曜は8万6000人の来場。よく見える席は満席でした。
世界選手権にしか用いられない GRAND PRIX を生で見ると緊張してきました。
#6 Nicholas Latifi / Williams
#5 Sebastian Vettel / Aston Martin
ベッテルはFP3のタイムからしてQ1を突破できるかどうか。Q1突破して目頭が熱くなりました。
#44 Lewis Hamilton / Mercedes
F1にとって、鈴鹿サーキットの1コーナー進入は全開。この世のものとは思えない速度で曲がっていき、2コーナーまでの間に減速します。スロットルを抜くタイミング、エンブレを使う量も車を曲げる技術の一つ。
FP3も予選も1-2コーナーで見ていましたが、チャンピオン経験者は同じラインをずっと走るし、ポイント獲得で精一杯のドライバーは安定していません。鈴鹿がいかに難しいか思い知りました。
#22 角田裕毅 / Alpha Tauri
角田くんは車のバランスに悩む中でもQ1を突破し12位獲得。よくやった!
#5 Sebastian Vettel / Aston Martin
ベッテルはQ3進出!車のポテンシャルをはるかに上回る9位獲得に、涙をこらえるので必死だったのに「ありがとうございます鈴鹿」と日本語で無線してくれた瞬間に泣いてしまいました。君はどこまでかっこいいんだ。
#1 Max Verstappen / Red Bull
フェルスタッペンのポールラップ。火花を散らして渾身のアタック。本当に速かった。
Max Verstappen's Onboard Pole Lap | 2022 Japanese Grand Prix | Pirelli - YouTube
0.01秒差でのポールポジション。F1のレベルの高さをうかがえます。
10/9 8:00
応援してるよ。
12:00 ドライバーズパレード
パレードは最も距離の近いスプーンから。ベッテルの心底楽しむ様子、角田くんの感傷に浸る表情、フェルスタッペンの落ち着き。生で見れたことを嬉しく思います。
14:00 決勝
パレードが終わると雨。日曜は9万4000人が来場。週末で通算21万人が来ています。すげえ。
ウェルカムフライトはホンダジェット。非常に静か。1日に同じメーカーの二輪も四輪も航空機も見れるのもF1だからでしょう。
湧き上がるエンジン音。灯るレッドシグナル。憧れたF1観戦が始まる!
いい蹴り出しで前に出たルクレールをフェルスタッペンが大外刈り!一歩も引かないメンタリティがチャンピオンたる所以でしょう。
ベッテルはアロンソに当てられて最下位に。大丈夫だ、君は雨のブラジルで最下位から6位入賞で3度目のチャンピオンを取った男だろう。焦らず行ってくれよ!
ヘアピンでサインツがクラッシュ、アルボン故障、周スピン、ガスリー破損で荒れた展開に。2周目で赤旗中断。
再開まで2時間。場内放送のピエール北川さんと佐藤琢磨さんがトークで、ピストン西沢さんがDJで場を繋げていただき、あっという間でした。
偵察で周回するメディカルカーに合わせて、サーキット全体の観客でする高速ウェービングは、凍える寒さを和らげてくれる素晴らしいものでした。
16:15 再開
セーフティーカー先導でレース再開。みんな完走してくれ!
セーフティーってなんだっけ、と感じるほど速いセーフティーカー。雨が収まってきたので、すぐにグリーンスタートになりました。
再スタート時は全車フルウェット装着指示が出ていたものの、グリーンになれば関係なくなります。ベッテルはすぐにインターミディエイトに交換してコースへ。
水煙の視界不良を避ける、アンダーカットを狙う戦略でしょう。いい判断だ!
ベッテルがベンチマークになる中で最速ラップを出し、大半もインターミディエイトへ交換します。ベッテルはこの2周が肝になることを理解していたので、FP2で見せた以上にスピードを乗せて走っていきました。
全車ピットを終えるとベッテルは6位。予選より前!このまま、どうかこのまま!
ハミルトンはオコンを抜きあぐねます。今年のメルセデスはストレートが遅いため、DRSを使えない雨では勝機は薄いでしょう。
今のF1の総レース時間は、2時間(赤旗なし)、3時間(赤旗あり)のため、実質レース時間は40分。すぐに終盤になってしまいます。
ベッテルを抜けないアロンソは新品インターミディエイトに交換して最終盤に抜くことを期待し、案の定ベッテルを捕まえます。最終コーナーで真横に並び、0.011秒差でベッテルが6位入賞!
おめでとう!
おめでとう!!
角田くんも13位完走。おめでとう!来年も応援してるよ!
優勝はフェルタッペン!
ルクレールにペナルティが与えられて3位降格でフェルスタッペンがワールドチャンピオンに!展開に喜びつつも周りは困惑。
今年からF1のポイント付与ルールは以下フローによって決められています。日本GP決勝は28/53周で3時間経過となり終了。
規則を正確にフォローしてないとまずわかりません。公平さを重視したあまりに複雑になる、F1あるあるです。
とはいえ、ホンダのお膝元で、目の前でチャンピオン獲得の瞬間を見届けられてよかったです。
レース後は東コースが解放され、サーキットウォークへ。グランツーリスモで感じていた以上に勾配が大きく、2コーナーと逆バンクは基礎を問われるコーナーだと感じました。S字も250km/hで曲がるコーナーとはとても思えません。
歩いても感じるF1の凄さ。来年もまた見たいな。
3日間ともサーキット周辺の渋滞は酷かったものの、津泊で渋滞を避ける方向だったこと、駐車場出口に近い枠を付与されたおかげで比較的快適に過ごせました。
F1とはなにか。世界選手権とはなにか。車両や選手だけではなく、慣れたサーキットですらその違いに圧倒されました。金曜午後にはF1公式グッズが売切れ、決勝日は手荷物検査を受ける。チケットもSUPER GTの10倍高い。
それでも、世界一速い車20台と、世界一速い20人が集まるF1が、いかに特別で素晴らしいかを実感できていい思い出です。
フェルスタッペン、チャンピオンおめでとう!
角田くん、母国GP完走おめでとう!
ベッテル、引退おめでとう!今までありがとう!
では。